「クジラの死体はかく語る」講談社、荻野みちる著、という本を読んだ。色々驚かされた。
まず、日本でシロナガスクジラの肉が食用として売られていたこと。全世界に3000頭ぐらいしかいない、地球上最大の動物をまだ、とっている人がいたとは。もちろん絶滅危惧種で保護動物である。
他にも調査捕鯨が認められているミンククジラ以外の鯨の肉が多数流通しているという。
密漁としか思えないが、あんなデカイものを密漁って、大型捕鯨船を持った密漁団が存在するわけ?
どうもよくわからない。大体わりにあうのか?
ネットで見るとミンククジラ1キロ4400円とある。1トンで440万円、クジラ1頭100トンだとして、半分が肉としたら1頭で2億円以上?意外ともうかる・・・?。捕鯨船の費用の方が高い気もする。
もう一つはクジラ類の汚染、PCB・水銀、ダイオキシンの量が半端じゃなくて、もう食文化がどうとかいう以前に、食用にするのは危険らしい。厚労省は消費量が少ないから問題ないと言ってるらしいが、PCBやダイオキシンは微量でも致命傷ではないか。
えーと、生体濃縮とかいったっけ、食物連鎖の上に行くほど、汚染がひどくなる現象。結果シャチの汚染がもっともひどいらしい。イルカも魚が主食だからひどいだろう。海だけでなく外洋の空気まで汚染されていて、イルカから排気ガスを吸った痕跡が発見されたという。
それにしても、そんなにまでして食うほどうまいものとも思えない。何か他の用途で高値で取引されているのでは?
また、昔捕獲した冷凍ものの在庫ということはないのだろうか?
ネットで少し見てみると、IWCでは1977年に非加盟国からの鯨製品の輸入を禁じる決議が採択されおり、IWCを脱退する前のアイスランドから1991年を最後に輸入されたナガスクジラの肉などが存在する。
現在ではマイナス25度程度で保存し、グレージングという処理で肉の表面が乾燥しないように管理するなどして20年程度までは持つようである。
他にも魚の網に混獲されたものが流通する例もあるらしい。
それにしてもシロナガスクジラに関しては密漁・密輸以外にありえなさそうだ。
温暖化もだが海洋汚染も年々深刻さを増しているようだ。しかも両者は連動している。
てなことを書いていたら、今朝方鹿児島県加世田市の海岸に体調15メートルの雄のマッコウクジラが死んで打ち上げられたとニュースで言っていた。砂に半分埋もれていたそうだ。
この本には、知らなかったことがたくさん書かれてありますよね。私も、読んでびっくりしました。
鯨類に関することは、一般人にはわからないことがたくさんありそうですし。
色んな方に、この本を読んで欲しいですよね。