2010年03月11日

食っていい動物と食っちゃいけない動物

タイトルだけで命を差別するなとツッコミが入りそうだが、一般論のつもりで書く。厳密に分けることはどうせ無理だ。善悪ではなくて問題になるかどうかで分けてみる。

まず食っても問題にならない動物。

1、最初から食用に飼育されている動物。牛、豚、鶏等の家畜。
これはOK。畑の農産物や養殖の魚もこれと同じでいい。一般的には天然の魚貝類も絶滅の恐れがない限りは問題にされない。

2、害獣 生息域が人間と接近していて、農産物を荒らす動物。日本でならイノシシ、豪州ではカンガルー、食用は目的ではないが結果的に食肉として利用されるケース。


食うと問題になる動物

3、天然記念物・野生動物、原則的には保護の対象で食用のイメージは無い。オオサンショウウオとか食えばうまいらしいが、特に食べたいとは思わない。トキやパンダに関しては言うまでも無い。絶滅危惧種を除けば、直接食糧にしている狩猟民は野生動物を食っても問題にされない。商用利用が問題になっている。そういう意味では日本の捕鯨はアイヌやアポリジニーのものと同じではない。

4、ペット、愛玩動物、野生ではないが愛玩が目的なので食うことは目的に反する。
ただ食用動物と愛玩動物の区別は文化的な違いもある。有名な話としてフランス皇帝が中国皇帝に愛玩犬を贈ったところ、「大変おいしくいただきました」という礼状が来たというエピソードがある。

で、捕鯨に関する議論を読んでいると、捕鯨推進派はクジラを1,2に分類し、反対派は3,4に分類している。たいていの動物はこの4つのどれかに分類出来るんだが、クジラ・イルカはどこに入れてもなんかひっかかる。

1の水産物には普通、海洋哺乳類は入れない。アシカやトドは水産物とは言いがたい。野生の哺乳類を天然モノの魚貝類と一緒にするのは違和感がある。

2にクジラを入れるのも無理がある。魚やオキアミを大量に食べて減らしているという主張もあるが、クジラ類は立派に生態系の一部で、人間が介入するほうがバランスが崩れる。

3、普通、天然記念物は国ごとに保護しているから、公海上に生息するクジラは保護されにくい。これはむしろ法的な欠陥のように思える。野生動物である以上、生息地に関係なく保護されるべきだろう。

4、イルカ・クジラ類は野生動物だからここに入れるのは変だ。ただイルカショーのイルカを見ていると犬猫や馬みたいな人間との親和性が感じられる。普通、野生動物というと、人間への警戒心が強く、とてもフレンドリーとは言えないのだが、イルカ・クジラ類では野生ですら時折人間好きなのがいて、それがまた愛護論者を萌えさせると思われる。

個人的にはシロナガスクジラとかは天然記念物扱いでいいと思うし、屋久島がまるごと世界遺産になるのなら、琉球列島や南氷洋の生態系も自然遺産に指定したらいいんじゃないかと思う。無理やり分類するなら公海上の野生動物にあたるから、やっぱり捕鯨は無理がある。

クジラは野生動物だと思う人はご協力を!


posted by アマサ at 12:02| 熊本 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 食文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あくまで個人的な意見ですが、「命を差別するな」と息巻いているヒトたちの主張は、「平等とは何なのか」と問うた途端論理が破綻する突飛なものでしかないと思います。
ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約)という国際条約があって(日本は未批准)、国境を越えて移動する野生動物は国際的な合意に基づいて保護管理に努める必要があるんですが、本来クジラは間違いなくここに入るんですよね・・
確かに無理があります。
Posted by ネコ at 2010年03月13日 17:11
私なんぞは大型野生動物を水産資源に分類するのは、どうしても抵抗があるし、捕鯨賛成派もクジラが魚ではないことは分かっているのでしょうが、ライオンや象と同じという感覚は無いようで、天然モノの大型魚ぐらいに思っているようですね。豪州政府が言うように、法廷で争うことになれば、クジラは野生動物か水産資源かが焦点になると思いますが、クジラが哺乳類である以上、捕鯨賛成派に勝算は薄いと思います。
Posted by アマサ at 2010年03月13日 19:54
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